土地の越境トラブルに時効はある?越境を認識している場合としていない場合をご紹介!
2023/10/20
土地の境界線を越える事象「越境」と、その時効について理解しましょう。
所有者が気付かずに放置すると、10年や20年で所有権が変動する可能性があります。
この記事では、越境とその法的な影響、時効成立の条件について解説します。
土地所有者や近隣住民にとって重要な知識です。
□そもそも土地の越境とは?
まずは土地の境界を越える状況について見ていきます。
越境とは、樹木や塀が境界線を越えて隣地に広がっている状態を指します。
この現象は「えっきょう」と読みます。
特に住宅密集地域では、よく見かける光景です。
植えられた木や花が放任され、その結果、フェンスや境界線を超えて成長してしまうことがあります。
通りを歩く人々や車が通る道路に、大きな木が道路に向かって伸びている場面もよくあります。
時折、建物自体が境界線を越えて建てられているケースもまれに見受けられます。
実際のところ、不動産においては、道路や隣接地といったさまざまな境界が存在します。
これらの境界が侵される状態は、種類に関わらず「越境」と呼ばれます。
ですから、境界線を超えて拡がっている状態をしっかりと理解しておくことが重要です。
ただし、越境している樹木や塀を、自らの判断で勝手に取り除いたり切り詰めたりすることは避けるべきです。
しばしば「これは自分の土地なのに」と誤解されるかもしれませんが、それらは隣の所有物となります。
無断で手を加えることは、法的に問題が生じる可能性があります。
幸いにも、民法の規定によれば、隣の木の枝が境界を越えて伸びてきた場合、所有者はその枝を切り取ることができます(民法233条)。
同様に、隣の木の根が境界線を越えて侵入してきた場合、根を切り取ることが認められています(民法233条の2項)。
こうした対処は、隣の住人と協力して行うべきです。
不法行為を避けるためにも、まずは隣の住人に対して適切な連絡を取り、処分や切除について相談してみましょう。
その際、お互いが納得する形で進めることが大切です。
□土地の越境トラブルに時効はあるの?
まずは、土地の境界を越える状況について考えてみましょう。
土地所有者が隣地からの越境に気づかない場合、短い期間で越境に関する法的な時効が成立する可能性があります。
これはわずか10年間です。越境の時効が成立すると、越境している土地の一部は隣人の所有地となるため、注意が必要です。
法的には、この現象を時効取得と呼びます。
もし土地所有者が最初から越境の事実に気づいている場合、時効の期間は20年に延びます。
これを長期取得時効といいます。このような場合、隣地からの越境について事前に知識があるため、問題を解決するための時間が与えられる特徴があります。
隣地とのトラブルを回避するためには、時間をかけて説得することが重要です。
ただし、日常生活に支障がない場合、経過年数を忘れることがあるかもしれません。
このため、メモ、写真、書面などで記録を残しておくことが賢明です。
また、隣地との関係によっては、越境に対して問題がない場合もあります。
こうした場合、周囲の状況を考慮して長期取得時効を進めることも一つの選択肢となります。
取得時効を主張する際、いずれの場合でも、経過年数を具体的に証明できる情報が必要です。
特に長期取得時効の場合、長い年月が経過しているため、証拠を提供することが難しいことがあります。
証拠を書面に残す際には、具体的な開始日や所有者の情報などを正確に記録することが重要です。
時効が成立しないように、問題の証拠を明確に保存しましょう。
□まとめ
越境について時効はあるのかご紹介しました。
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相続した空き家が越境問題を引き起こさないよう早めに売却を検討しましょう。
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