抵当権の債務者と所有者が異なる場合でも抹消登記はできる?解説します!

抵当権の債務者と所有者が異なる場合でも抹消登記はできる?解説します!

2023/09/26

住宅ローンを組む際に、金融機関をはじめとした債権者が債務者に対し、購入する不動産を担保とする権利のことである抵当権。
不動産を売却する際、この抵当権を放棄する必要がありますが、抵当権の債務者と所有者が異なる場合にも抹消登記できるか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
結論としては、可能です。
そこで今回は、その方法について解説します。

□共有不動産の抵当権を放棄する人は誰?

基本的に、複数人で共有している不動産に抵当権が設定されているときには、抵当権抹消登記申請の際、どの共有者からでも抵当権抹消登記を申請することが可能です。
この抵当権抹消登記を申請する際には、不動産を共有する全員が登記権利者となります。

つまり抹消登記申請は、共有者全員が申請人になるのに加えて、民法252条の規定により、共有者のうちの1人が共有者全員のために、登記義務者(抵当権者)と共同申請することが可能なのです。

*事例1:2名が共有しているそれぞれの不動産を共同抵当とする抵当権が設定されている。

このような場合抵当権抹消登記を申請する際には、不動産を共有する2名のうち一方が登記申請人となることで、登記義務者と共同で登記申請が行えます。

□抵当権の債権者と所有者が違っても抹消登記できる?

ここまで、複数名で共有する不動産を共同抵当とする抵当権の抹消登記について解説しました。

しかし、息子が銀行から住宅ローンを借り入れ、父親名義の土地に新築建物を建てるような場合もあるかと思います。

この場合銀行は、住宅ローンの担保として父親名義の土地と息子名義の建物双方に抵当権を設定します。

このように同一の債権を担保する抵当権ではあるものの、各不動産の所有者が異なる場合にはどのように抵当権を

抹消するのでしょうか。

*事例2:2つの不動産について、同一の債権を担保する抵当権が設定されているが、それぞれの不動産の所有者が異なる。

この場合でも、登記の目的、抹消原因およびその日付を統一して申請すれば、1件の申請による抹消登記が可能です。
ただし、この場合の抹消登記申請時には、不動産を所有する2者が共に申請人となる必要があります。

なお、一方を登記権利者として抵当権者との間で、一方の不動産のみの抵当権抹消登記を行うことも可能です。
同一の債権を担保する共同抵当権に対し、必ずしも2つの不動産を同時に抹消登記申請をする必要はありません。

□まとめ

今回は、共有不動産の抵当権放棄、抵当権の債権者と所有者が違う場合の抹消登記について解説しました。
抵当権の債務者と所有者が異なる場合でも抹消登記は可能です。
本記事を参考に、抹消登記を進めてみてくださいね。

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