不動産を売却した時の譲渡税

土地や建物の売却にかかる税金の種類

土地の売却に伴う税金は以下の3つになります。

①登録免許税
②印紙税
③譲渡所得税
 ・所得税(復興特別所得税含む)
 ・住民税

それぞれについてご説明させていただきます。

登録免許税

登録免許税とは、登記手続きの際に納める税金です。
税額は土地や建物の評価額に税率をかけて計算します。
ただし新築のため建物に評価額がまだ付けられていない場合は、法務局で認定した課税標準価格に税率をかけて計算します。

印紙税

印紙税とは、契約書や領収書を作成する際にかかる税金です。
売却金額によって印紙税額は異なり、相応する収入印紙(郵便局などで購入可能)を貼り付け納税となります。

契約金額 本則税率 軽減税率(※)
100万円超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超え1,000万円以下 1万円 5,000円
1,000万円超え5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超え1億円以下 6万円 3万円

(※注)令和3年5月現在

譲渡所得税

不動産譲渡所得税とは、土地や建物といった不動産に限らず、株式、貴金属などの所有物を売って得られた利益のことです。
その「譲渡所得」に対して課税される所得税、住民税、復興特別所得税を総称したものが「譲渡所得税」です。

復興特別所得税

復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興に必要な財源の確保をするための税金です。

住民税

住民税とは、都道府県民税と市町村民税を合わせて住民税と呼び、居住しているところで課税されます。

point1:『利益』にかかる税金であることに注意

譲渡所得税は売却で得た利益(以下譲渡所得という)に対してかかる税金であり、売却金額にそのままかかるわけではありません。

譲渡所得は以下の様に求めます。
譲渡所得= 売却金額 ー 土地の購入にかかった費用(取得費)ー 売却にかかった費用(経費)

なお、取得費がわからない場合は売却価格の5%を取得費として計算することができます。
売却にかかった費用(経費)は、不動産会社にかかる仲介手数料や建物の解体費用、売却のための移動にかかった費用などが含まれます。
取得費は、購入した時の価格をそのまま扱うのではなく、減価償却分を差し引いて計算します。

point2:保有期間で税率が変わる

譲渡所得税は、土地の所有期間が5年以下の場合(短期譲渡所得)と所有期間が5年超えの場合(長期譲渡所得)で税率が異なります。
相続で取得した土地の場合は、故人が所有していた期間を含めます。

名称 所有期間 税率の計算 ※注
短期譲渡所得 5年以下 税率=課税長期譲渡所得金額×30%(住民税9%)
長期譲渡所得 5年越え 税率=課税長期譲渡所得金額×15%(住民税5%)

(※注) 平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を併せて申告・納付することになります。

不動産の売却に関する税金を理解しましょう

不動産を売却することで得た収入はすべて手元に残るわけではありません。
課税の仕組みを知らないと、想定よりも実際の収入が減ってしまう可能性もあります。
不動産を売却した時の譲渡税の仕組みを理解することで、状況に応じた対策ができます。
例えば、マイホームを売却する場合、相続した物を売却した場合でも対応方法は異なります。
まずは専門家に相談をしてみましょう。

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